2023年1月21日、掛川市役所にて行われた【T-1グランプリ 決勝戦】では、予選を勝ち抜いた21人が熱い接戦を繰り広げました。
T-1グランプリとは?
掛川茶振興協会が主催する「T-1 グランプリ」は、今年で開催13回目。市内の小学校3年生~6年生を対象とし、お茶の知識や技能を競い、日本茶の茶ンピオンを目指す大会です。
元々は、宮崎県の若手茶者を中心に企画・開催されていた「消費者参加型イベント」でしたが、現在では、全国各地の茶産地で開催されるようになりました。
茶レンジャーたちが挑戦する課題は3つ!
茶レンジ1:お茶通クイズ
➡お茶の歴史・効能・掛川茶の歴史などの問題に回答します
茶レンジ2:お茶の種類あて競技
➡予選では8種類の中から5種類、決勝では10種類の中から8種類のお茶を当てます
茶レンジ3:お茶のいれ方競技
➡急須を使っておいしいお茶を入れる技能を競います
茶産地掛川のお茶振興活動
近年、日本国内でも急須でお茶をいれるという人が年々減っていく中で、深蒸し茶の産地である掛川では、日本の美しい茶畑・その周辺野山の豊かな生物、世界農業遺産である「静岡の茶草場農法」の保全に取り組んでいます。
掛川茶の未来を守るため、掛川市では、小学校3年生より、お茶に関する授業を取り入れ、市内の茶工場の見学なども実施。さまざまなお茶プロジェクトを通して、多くの子ども達に、お茶の良さ・大切さを伝承しています。
掛川の特産品であるお茶の良さ、お茶のいれ方など、子どもの頃から理解を深めて頂きたい。
急須でいれて飲む習慣をつけ、大人になってからも掛川茶を楽しめる子どもになって頂きたい。
そういった子どもたちが、将来情報発信をして掛川茶の消費拡大に繋がったら嬉しい。
掛川茶振興協会 スタッフ
T-1グランプリ予選の様子
今年のT-1グランプリには、市内17校の小学校より94人の茶レンジャーが参加。コロナ禍での開催とあり、昨年同様、予選はオンラインでの実施となりました。
〇☓クイズや選択問題、お茶の種類あて競技のほか、各自家庭で撮影したお茶をいれている動画の提出により審査が行われました。
高学年の方や3年生から参加されている方は、しっかりと所作を覚えて頂いて、とてもきれいにお茶をいれられていました。上位の方たちは、どの子も本当に上手で接戦でした。
掛川茶振興協会 スタッフ
T-1グランプリ決勝の様子
決勝戦では、予選を通過した上位21名が、掛川市役所にて熱い戦いを繰り広げました。コロナ対策として分散集合だった今年は、7ブロックに分かれて各グループ3名ずつでの競技となりました。
決勝進出の通知から約1ヶ月、どの茶レンジャーも、一生懸命お茶をいれる練習を重ねてきたのが伝わる”堂々とした戦いぶり”を見せてくれました。「どうぞお召し上がりください」の声とともに出したお茶は、その場で、色・温度・味・香り、さまざまな項目で審査され、その様子をしっかりと見つめていました。
お茶の種類あて競技での、茶葉を見つめる真剣な眼差し、香りを確認するしぐさは、大人顔負け。茶葉の色や香り、大きさを確認し、制限時間いっぱいまで茶葉を見て回っていました。
笑顔が弾けた表彰式
この日、決勝に参加した21人が初めて揃った表彰式。みな、戦いを終えた安堵や充実感、結果発表への期待と不安が入り混じる、緊張した面持ちです。
結果発表前には、審査委員長を務めた大塚さんより、頑張った茶レンジャーへの激励、親御さんへ感謝の言葉や決勝の評価ポイント、指導へのアドバイスなどが伝えられ、みな一生懸命に聞き入っていました。
表彰には、掛川茶振興協会会長を務める久保田崇市長も駆けつけ、入賞者一人一人に声をかけながら、賞状や副賞、トロフィーを授与。結びには、先日二の丸茶室で行われた将棋の王将戦で、藤井王将が初手の直前にも掛川茶を飲まれたという話題を交え、「藤井さんのようなお客様にもしっかりとしたお茶が出せるよう、これからもお茶をいれて欲しい」と激励しました。
2023年 T-1グランプリ入賞者
決勝戦の順位は以下の通りです。
接戦を制しT-1博士の称号を勝ち取ったのは、青木進さん(第一小4年)
T-1教授は横井敬人さん(西山口小5年)
T-1准教授は、山下諒大さん(中央小3年)・杉原碧乃さん(中央小3年)・山本心瑚さん(原田小4年)
T-1講師は、鈴木椛乃さん(上内田小5年)・黒田 侑跳さん(倉真小5年)・増田 百合凪さん(大阪小5年)・戸塚 さくらさん(桜木小4年)・北川 湊都さん(城北小5年)
見事T-1博士となった青木さんは、「お姉ちゃん達もみな優勝していたので、僕も優勝できて嬉しい!」と笑顔で挨拶しました。
T-1グランプリの参加を通じて、嬉しさ、悔しさ、来年への目標、さまざまな感情が生まれたであろう茶レンジャーたち。それぞれの思いを胸に、これからも掛川茶のお茶振興に取り組んで欲しいですね。