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2020年8月の特集「掛川で働く」では、掛川で働く人たちにフォーカスしながら掛川で働く魅力を探ります。今回は、掛川のデザイン会社「株式会社スターズデザイン」の代表である岡田有祐さんにお話を伺いました。
株式会社スターズデザインは、「世界中の女性たちに、お気に入りのECサイ
東京から浜松のベンチャー企業へ
しまけん:現在、掛川でデザイン会社を経営されていますが、デザインの道に進んだきっかけはありますか?
岡田さん:東京の大学に通っていた時、Windows95がリリースされたタイミングで、世の中は空前のホームページ制作ブームでした。僕もWindows95を触るうちに、どんどんその魅力に夢中になり、将来仕事にしたいと大学を退学することに。独学でWebの知識を身につけ、Webを活用したマーケティング支援会社(市場調査の会社)に入社して、マーケティングやブランディングの業務に携わりました。
しまけん:当時からマーケティングやブランディングを担当していたというのは、業界的にかなり早いタイミングですね。
岡田さん:そうですね。いろいろと勉強させていただきました。ただ、30歳を超えたあたりで、転機があります。家庭の事情で、東京から浜松への引越しを余儀なくされました。でも、東京の会社からは、浜松から通って欲しいと言われて。1年間ほど浜松と東京を行き来する日が続いたのですが、通うのが大変になってしまい浜松のSAVAWAYという会社に転職することになりました。
しまけん:今ならリモートで仕事もできますが、当時は相当大変だったのではとお察しします。SAVAWAYという会社では、どんな仕事を?
岡田さん:SAVAWAYはEC支援企業です。私が働いていた頃は小さなベンチャー企業だったのですが、現在は大手インターネット企業NHN JAPANのグループ企業になっているようです。在職時は自社製のショッピングカートや在庫管理システムを導入してくれたクライアントに向けて、コンサルとして売上アップのアドバイスをしたり、ECサイトを作ったり、ECに特化した仕事をしていて。
ただ、ベンチャー企業だったこともあり、私が入社したときは15人だった社員も、3年で100人規模になりました。急成長する会社の中で「自分がやりたいこと」「会社が求めていること」「自分ができること」のバランスが取れなくなり退社することになります。それが2012年です。
暮らしの拠点を掛川にしてよかった
岡田さん:会社を退社してからは、起業をするのですが、一度リフレッシュしたいなと思っていました。そんな時、両親から環境を変えてはどうだ?とアドバイスされまして。父親が幼少時代を過ごした掛川に移住を決めました。
しまけん:実際に掛川に来られてどうでしたか?
岡田さん:父親と縁のある人たちが町内にいて、庭仕事をしていると話しかけてくれたり、お祭りの時は面倒を見てくれたりして。違和感なく、スッと溶け込めましたね。
しまけん:仕事面で、掛川を拠点にして感じるメリットはありますか?
岡田さん:移動が楽というのはありますね。掛川は新幹線も止まるし、東名やバイパスもすぐに乗れます。静岡市や浜松市のちょうど中間で、バイパスを使えばすぐに行けるのも助かっています。クライアントが静岡市から浜松市の間に多い企業にとっては、最高の立地ではないでしょうか?また、浜松に住んでいた頃より移動のストレスが減ったかなという印象です。浜松の街中に住んでいた頃は、よく渋滞に巻き込まれることがありましたが、掛川ではそれがないので。
しまけん:仕事以外での掛川の魅力はありますか?
岡田さん:そうですね…、休日は掛川で過ごすことはあまりないですね。静岡に買い物に行ったり、地元藤枝に行ってご飯を食べたり、市から出ることが多くて。
しまけん:えっ、そうなんですか?
岡田さん:僕にとって掛川は、休みを満喫する場所というより暮らしの拠点なんです。リラックスできる自然もあるし、疲れたらお城に散歩に行けるし。プライベートを充実させようとするとスタバがないとか目についちゃうところもありますが、でも逆に、それが心地いいんです。あんまり賑やかすぎると、リラックスできませんよね?のんびりできて、暮らしの拠点にはちょうどいい。少し都会的なものを求めるのであれば、それこそ静岡市も浜松市へすぐに行けますし。
しまけん:暮らしの拠点。確かに!雑音が少なくて、暮らしを大事にできる印象があります。
岡田さん:スタバとかはありませんが、お洒落なカフェや雑貨屋さんが結構あるんですよ。仕事の面でも恩恵はあって、撮影の小道具で協力をお願いすることもあります。車で走ればそういうお店があるのは助かりますね。クリエイターの方は住みやすい場所なんじゃないかと思います。
掛川で働きたいという人に対して、アドバイスは?
しまけん:最後に掛川で働きたいという人に対してアドバイスはありますか?まずは、高校生や大学向けにお願いします。
岡田さん:高校生や大学生が掛川で働きたい思ってくれるのは、尊重したい気持ちが強いです。その一方で、東京や浜松で働いて、今は掛川で働いている僕の経験から1つアドバイスしたいのは、広い世界を見てから掛川に戻ってきても遅くはないということです。
ビジネスやデザインのセンスは、その人の人生で見てきた景色や経験によって積み上げられますし、その価値は計り知れません。若いうちこそ知見を広げて、新しいことに挑戦して欲しいなと思いますね。
しまけん:ありがとうございます!次に、掛川に転職したい方にアドバイスをお願いいたします。「働きたい会社の求人が出ていない」と聞くこともありますが、どうしたらいいでしょう?
岡田さん:企業はいつだっていい人材に巡り合いたいと思っています。今期採用の予定はなくても、会社に利益を出してくれる人間なら会ってみたいのが経営者や人事の気持ち。そこを感じとり、もし「ここの会社で働きたい」という会社があるならドアをノックしてもいいんじゃないかなと。
しまけん:求人が出ていなくとも応募してみると?
岡田さん:ノックしないと始まらない。そう思いますね。やっぱり、求人媒体に載っている給料や立地からの消去法ではなく、その会社が描いている未来に共感できるのか?ここなら夢に乗っかっていいのか?媒体に載っていなくても、熱い気持ちがあれば経営者も見てくれる。消去法ではない就職活動をしてみるのがいいかなと思いました。
インタビューを終えて
株式会社スターズデザインは、「世界中の女性たちに、お気に入りのECサイ
このような大きなミッションを掲げ、プレッシャーに晒されながらも前
掛川の豊かな自然や、肩肘はらずに生活できる都市環境のおかげとのこと。掛川は「暮らす場所」という言葉に納得しました。