二度目の起業は掛川で。プロのベーシストからデザイナーになった堀井さんに話を聞いた|株式会社ウィンドラボ

掛川の暮らしを発信するWebメディア「掛川暮らしのマガジン」。2020年8月の特集「掛川で働く」では、掛川で働く人たちにフォーカスしながら掛川で働く魅力を探ります。

今回は、掛川のデザイン会社「株式会社ウィンドラボ」の代表である堀井さんにお話を伺いました。

株式会社ウィンドラボ

パンフレットやロゴマーク開発をはじめとするグラフィックデザイン、ホームページ・通販サイト等のWEBデザイン、写真・ムービー撮影、動画制作、ドローン空撮などのクリエイティブ領域をトータルで請け負う。

企業の目標達成のためのメディアをミックスさせたプロモーションが得意。

個人ではDJとしても活動。

メジャーバンドに加入するも、デザインの道へ

しまけん:デザイン会社を経営しながら、音楽活動もされていると伺いました。音楽活動は昔からやられていたのですか?

堀井さん:小学校6年生の時に、同級生から誘われてギターを始めました。理由は、かっこ良かったから(笑)。昔、エレキギターは不良が弾くものだという時代があったんですよ。当時、ちょうどいきがり始めていたタイミングもあって、始めたんじゃないかな。

高校時代は、仲間たちとバンドを組んで勉強よりも音楽に夢中になっていましたね。

大学に入っても、音楽主体の生活は変わらなくて。横浜を中心とする色々なクラブでDJとして活動しながら、大学4年生のときに、メジャーデビューしているバンドに声をかけてもらってベーシストとして加入しました。

しまけん:メジャーデビューしているバンドから誘われるってすごいですね!でも、現在はデザイン領域の仕事をされていますよね?音楽からデザインの領域に戦う場所を変えたのはなぜでしょうか?

堀井さん:東京〜大阪をツアーで回ることがあったのですが、その度に対バンでプロのミュージシャンの人たちの演奏を間近で見るわけです。

アマチュアとプロのレイヤーってあるじゃないですか。プロのレイヤーに足を踏み込むと才能のあるすごい人たちばかり。それで『音楽では食っていけない』と確信をしてしまって…。

友人の勧めもあり、小さい頃から物を作ったり絵を書いたりするのが好きだったのでデザイナーを目指そうとチャレンジしました。

しまけん:未経験でデザインの道へ進んで、苦労ばかりだったのでは?

堀井さん:25歳のころ、東京のデザイン会社に就職しました。
未経験者を採用してくれたのはありがたかったのですが、とても厳しい世界で、辛くて、よく吐きながら会社に行っていました(笑)。

職人気質の会社で、丁寧には教えてくれないし、自分には技術がないのでよく怒られていました。まさに修行という言葉がぴったりでした。

実家の事情で掛川に戻ってくるも…

しまけん:デザインの仕事を覚えて、そこから掛川へは?

堀井さん:その後、何とかその会社に認めてもらい32歳で退職してフリーランスとして独立しました。順調に活動していましたが、35歳の時に実家の都合で掛川での生活を余儀なくされました。

その時、そのままフリーランスを続けるという選択肢もありましたが、就職を選択しました。

しまけん:自分でやろうとは思わなかった?

堀井さん:私の親は転勤族で他県での暮らしが長く、この土地(掛川)のこともよく知りませんでしたし、ここに友人もいなかった。『できれば東京にいたい』という気持ちがとても強く、体調を崩してしまい、東京の仕事は徐々に縮小していったん就職することにしました。

それから浜松市の広告関係の企業でWebディレクターとして5年ほど働きまして40歳のときに、独立しました。今年で、8年目になります。

しまけん:40歳で再度独立したんですね!しかし、なぜ独立を?

堀井さん:私が働いていた会社は、この業界ではそれなりに大きな会社で分業制でした。営業、ディレクター、Webサイトを作るデザイナー、マークアップエンジニアと、仕事が細かく分かれていて、それが自分には合わないなと感じていました。なんでも自分でやりたい性格なのかもしれません。

また当時の会社は、売上ノルマを達成することが目標になっていて、売ったら売りっぱなし…。特にブランディングおいては、ホームページ等のSPツールができてから、それをどう活用するかが重要になってくるのですが、一番大切な部分がないがしろになっていることが残念で仕方がありませんでした。

そう言った日々を送る中で、『お客様に向き合って、責任ある仕事をしたい』そう思って独立することにしました。

しまけん:一度、フリーランスを経験しているから、苦労なくスムーズに独立できましたか?

堀井さん:そんなことありません。今も苦労していますが、独立当初は今の比ではないほど不安な毎日を送っていました。

お客様がいない状態でスタートしたので、営業をしたり、専門外の動画編集や写真撮影のスキルを身に付けるのに必死になったり。「いただけるお仕事なら何でもやります!」って感じでした。

ただ、そのときに努力して身に付けたスキルが、今に生きているので、その時期があって良かったなと今なら思います(笑)。

休日はキャンプや音楽フェスへ

しまけん:休日はどんな過ごし方をしていますか?

堀井さん:アウトドアが好きで、キャンプや音楽フェスにはよく行きます。掛川周辺は、自然環境が豊かなのでいろんな楽しみ方があると思います。海が近いので、都心から遊びに来る友人でサーフィンやSUPをやる人は波乗りに行っています。

整備されたキャンプ場もあったり、池・川・海があるので様々な種類の釣りも楽しめる。自転車やトレッキングの文化もある。掛川での暮らしは多趣味な人には良い環境じゃないでしょうか?

しまけん:逆に、仕事面で掛川に住むメリットはありますか?

堀井さん:新幹線があるので、東京や大阪にも行きやすいのはもちろんいいですね。静岡市と浜松市の中間にあって、両方にクライアントがいると便利な立地です。

あとは、価値観の共有できる仲間が増えれば暮らしが楽しくなるかなと。そう言った意味でも、今までは掛川という街に全く期待もせず、興味もありませんでしたが、最近は自分から新しい環境に出て行って人に会うように心がけています。

価値観の近い人たちと繋がって、困った時に相談できる仲間が増えれば、掛川で暮らし、働くメリットになりますよね。そうした繋がりが今後もっと出てくるといいなと思っています。

横のつながりを大事にしよう

しまけん:最後に、掛川でフリーランスとしてやっていきたいという人にアドバイスをお願いします。

堀井さん:私の仕事ような業界であれば、今の時代、住む場所はそこまで関係ないと思っています。セルフプロモーションをしながら、リアルとバーチャルの両方を掛け合わせて事業を拡大していければ、クライアントがどこにいようと、自分がどこに居ようと問題は全くありません。時代の動きとニーズを敏感に察知し、やり方さえ間違えなければ、フリーランスでも十分やっていけると思いますよ!

しまけん:とは言っても不安はあると思います。

堀井さん:もちろん、不安だとは思いますが、横のつながりを大事にしていけばなんとかなります。

私も独立当初は仕事がなかったので焦りましたが、ある方に掛川商工会議所の青年部(YEG)に誘っていただいて在籍することにしました。

結果、人脈も広がりましたし仕事を紹介していただくこともあって、YEGの関係者の方にはとても感謝しています。是非、横のつながりを大事にすることをおすすめしたいです!

今まで見ようとしていませんでしたが、掛川初心者の私が自ら一歩踏み出してわかったこと。

『掛川には素敵な方、たくさんいらっしゃいますね。』

インタビューを終えて

今回、インタビューは、堀井さんの奥さんが代表の料理教室「Dish」で行いました。同じ建物の中に、堀井さんのオフィスがあります。

現在はコロナ禍でもあるので、直接お客様と合って打ち合わせをすることが減り、リモートで仕事を進めていくことが増えたそうです。パソコンで仕事するメリットは、場所を選ばないというところにありますね!

堀井さんのいう通り、掛川にクライアントがいなくても事業ができる時代です。将来掛川で働きたいという方は、堀井さんにアドバイスをもらってもいいかもしれませんね!