遠山畜産|見える牧場づくりで「食べる」と「つくる」の距離を近づける

株式会社遠山畜産は静岡県掛川市で肉用牛の飼育、仔牛の生産、自社産の牛肉販売を行っている企業です。

同社は「命を扱う責任を全うし、古き良きものを大切にしながら臨機応変に、クリエイティブに、牛に優しく、人に優しいものを提供する。」という経営理念を掲げています。

今回は代表取締役である遠山裕丞さんにお話をうかがいました。遠山さんの信念と優しさの調和が生み出す魅力をお届けします。

掛川牛や遠山畜産を身近に感じ、手軽にお肉を楽しんだり、牛舎見学をしたり、生産者との交流を持つきっかけになることを願っています。

HP:https://tohyamachikusan.com/

牛と向き合う愛情とこだわり

遠山畜産は毎日約300頭の牛に寄り添いながら大切に育てる畜産を行っています。

そのこだわりの第一は、愛情を持って1頭1頭飼育記録を細かく管理し、牛たちの状況を細かく把握することです。第二に、牛たちのストレスを最小限に抑えるための工夫も行い、鼻かんを付けないようにしたり、角を切らないようにしたりしています。第三に、お肉の美味しさに必要な栄養をバランス良く与えること。これらのこだわりが遠山畜産のお肉に、安心感と美味しさをもたらしているのです。

農林水産大臣賞受賞と未来への継続的な取り組み

遠山畜産は農林水産大臣賞を受賞し、その取り組みが評価されました。しかし、遠山さんは謙虚に

受賞によって何かが変わることはありません。やるべきことは変わらない。ありがたいことだなぁとは思います。一人では成し遂げられなかったことなので会社の人、取り巻く人に感謝しています。評価されている分、『美味しくない』と言われないように頑張らないとなって。十人十色とわかってはいても、全員に美味しいと言ってもらえるようにしないとダメだなと思っています。

と語ります。遠山さんのお肉に対しての確固たる信念が見えました。

我が子は2人と300頭!?子育てに似たやりがい

生き物が相手なので、生き物が中心な生活にやりがいを感じますね。家族がいっぱいいる感じ。人間の子どもは2人だけど、あと300頭いるよみたいな。子育てに近いやりがいがありますよ。今日もこのこは逃げてるなぁとか、あのこあまり食べてないけどどうしたのかなとか、すごい甘えてくるなとかね。

同じものができない。同じものができない中で、いかに同じようなものをつくっていくかを常に考えていますね。そこがやりがい。

中学3年生の時にはすでに「自分がやるのかなぁ」と思い始め、大学で専門的に学ぶことを視野に入れながら高校選びをされました。大学卒業後はまず食肉加工で学びを深め、家業を継いだようです。

仕事に関して大変だと思ったことはないです。仕事をやりすぎるせいで家族の時間がつくれないことが一番アレかな…そう、大変だなと思いますね。

と家族との時間を大切にしようとする姿勢が見えました。家族も共に遠山畜産を支えており、近くにいらした奥様が日々のご苦労を代弁してくださいました。

猛暑でも寒さの厳しい日でも台風のときも、昼夜問わず家族と同じように牛のことを気にかけ、快適に健康に過ごせているか1頭ずつ様子を毎日見回っています。足音や車の音で主人が来ると牛たちは大喜びで声を上げてまちわびています。

地域との絆を築く

遠山畜産は、地域との絆を大切にしています。

地域に根ざしたものは、成長する過程で地域の色が出るから、地域の人に食べてもらうのが一番!

ただ地元のもので安全だから食べるだけじゃなく、手軽に手に入ってしかも生産者が近くにいるという安心感を感じてほしいし、感じてもらえる環境をもっと作っていきたいと思っています。

遠山さんは店頭販売にも立ち会い、消費者と直接対話する機会を大切にしています。消費者の方一人ひとりと会話をし、お肉について伝えたりどの様に感じているか聴いたり、触れ合う機会を大切にされているのです。そんな時、掛川で良かったなぁと感じるそうです。

話をよく聞いてくれて優しいのは掛川の人の特徴かなと。本当によく理解してくださるんですよね。嬉しいです。

消費者は遠山さんの熱い思いを理解し、掛川牛に対する信頼と愛情を抱くことができるでしょう。

フランクな会社としての未来展望

遠山畜産は、地域に根ざした取り組みを大切にし、地元の食材を身近に感じられる機会を提供しています。遠山さんは、畜産業と消費者との距離を縮めるため、気軽に問い合わせや見学に来てほしいと呼びかけています。

掘り下げてみると面白いことってあると思うんです。見学したいと思う方はHPのフォームから気軽に問い合わせしてくださいね!

遠山さんの目指す姿は「フランクな会社」。地元の食材を地元の人に食べてもらうことを大切にしながらも、贅沢品ではあるお肉を手に取りやすく提供することも考えています。

遠山畜産の特徴的な取り組みとして、「見える牧場づくり」があります。遠山さんは知り合いにお産に立ち会ってもらったり、産まれた仔牛に名前をつけてもらったりすることで、消費者との関係をより深めようとしています。

食育は大事だけど生きる死ぬの問題も関わるから、表面だけじゃないところはどうしてもある、そこを理解した上で来ていただけたらありがたいです。

消費者とのコミュニケーションを大切にし、フランクな姿勢で地元の食材を提供し続ける遠山畜産。その継続的な努力によって、地域に愛される会社としての存在感を高めると同時に、掛川牛の名を更に全国へと広めていくことでしょう。

購入に関するお問い合わせはHPのフォームから簡単にできますよ!