「子どもと一緒に空き家問題を考えるプロジェクト」が掛川で開催されました

11月から12月にかけて、大東子ども児童館とNPOかけがわランド・バンクの共催で、「子どもと一緒に空き家問題を考えるプロジェクト」が開催されました。

この企画は日本NPOセンターが実施している「NPOどんどこプロジェクト」の一環で、児童館とNPOが協力して、地域の子ども育成に貢献する事業を実施するものです。

掛川で開催されたプロジェクトは、地域の空き家問題について子どもたちが学び、体験し、そして解決のアイデアを出し合うというもの。

NPOかけがわランド・バンクは主に空き家・空き地対策へ取り組んでおり、その知見を活かしつつ地域の街づくりに貢献するため、本プロジェクトへ協力したとのことです。

プロジェクトは以下の流れで進められました。

  • 11/6(金)事前説明会(場所:大東児童館)
  • 11/21(土)空き家活用ワークショップ(場所:ゲストハウス「どこにもない家」)
  • 12/7(月)市長さんへの発表(場所:掛川市役所)

それではさっそく順番に取り組みの様子を見てみましょう!

掛川市の空き家問題について学ぶ「事前説明会」を大東児童館で開催

11/6(金)に子どもたちが大東児童館に集まり、市役所の方から掛川市の空き家問題の現状について説明を受けました。

当日説明にいらしたのは、掛川市役所の地域政策課の戸塚さんと泉さん。
掛川市が抱える空き家の総数や推移などをわかりやすく説明し、子どもたちは真剣にその話を聞いていました。

年々増える空き家は、放っておくと

  • 雑草
  • 虫の発生
  • 空き巣
  • 不始末などによる火事
  • 経年劣化による崩落

など、様々な問題が発生しやすくなります。

このような問題を起こさないためにも、早い段階から空き家解決に取り組むことが重要です。

子どもたちは聞いた話を参考に、自分なりの空き家対策を考えてポスターを作ることになりました。
この会では下書きの状態で絵の構想を発表し、次回11/21(土)までにポスターを完成させます。とても楽しみですね。

空き家を活用したゲストハウスで「空き家活用ワークショップ」を開催

11/21(土)、ゲストハウス「どこにもない家」にて空き家活用ワークショップが開催されました。

「どこにもない家」はもともと空き家だった古民家をゲストハウスとして活用した施設です。オーナーからゲストハウスをやることになった経緯や、運営方法について説明があり、子どもたちは興味深そうにその話を聞いていました。

その後、子どもたちが持ち寄った空き家対策ポスターを1人ずつ発表。

  • ボロボロの家をキレイにして人に貸せばいい
  • 空き家になった場所で遊具で遊べるようにしたり、動物を飼ったりしたらいい
  • インターネットに家の情報を載せて多くの人に見てもらえたらいい

など、子どもたちの視点で様々なアイデアが絵にまとめられていました。

そしていよいよ、実際に体を動かすワークショップがスタートです。

お箸づくり体験

1つ目のワークショップが「お箸づくり」です。

自分でカンナを使って杉の木を削り、思い想いのお箸をつくります。はじめはぎこちなく削っていた子どもも、次第にコツを掴むと大人顔負けの上手さでお箸を作り上げていました。

モノづくり体験をすることで、「自分の力で物事を作り出し、変えていける」という自信につなげるのがこのワークショップの狙いとのことです。

ダンボールドームづくり体験

2つ目のワークショップが「ダンボールドームづくり」です。

5角形と6角形のダンボールを組み合わせ、球状のドームを作ります。

ダンボールのカットはやや危険なため大人が行い、子どもたちにはカットしたダンボールを組み合わせてもらうことにしました。

子どもたちはワイワイ声をあげながら、ダンボールを少しずつ組み立て、小一時間ほどでダンボールドームが完成。

最初はペラペラだったダンボールが、うまく組み合わせるとちゃんとしたドームになることに子どもはもちろん、大人たちも驚いていたようです。

子どもたちは完成したドームの中に入ったり、ドームの外壁にマジックで絵や文字を描いたりして遊んでいました。

焼き芋づくり体験

3つ目のワークショップが「焼き芋づくり」です。

子どもたちは自分が気に入った形のサツマイモを選び、濡れた新聞紙とアルミホイルに包み、マジックで自分の名前を書きます。

焚き火の中にサツマイモを入れ、焼き上がるのを待ちます。その間、子どもたちはみんなで缶蹴りをして遊びました。

普段あまり缶蹴りなどをしない子どもたちもいて、みんなでやる缶蹴りはかなり楽しかったようです。

3つのワークショップを体験してもらい、この日のイベントは終了。
手と体を動かし、自分たちの手でモノを作り上げる体験をした子どもたちは、きっとまた違う形で自分の作りたいものができたときに「よし、自分でやってみよう!」と思ってくれるのではないでしょうか。

次はいよいよ、12/7(月)に子どもたちの代表3名が、市長さんへ空き家対策ポスターの発表をします!

掛川市役所にて市長さんへ空き家対策ポスターを発表!

12/7(月)、子どもたちは空き家対策ポスターを市長さんへ発表するため、掛川市役所を訪れました。

冒頭にかけがわランド・バンクのメンバーより、今回のプロジェクトの趣旨や取り組みについて説明。その後、子どもたちが一人ひとり自分が描いた絵について市長さんへ発表しました。

松井市長は子どもたちの発表をにこやかに聞きながら、「とても感動した」と一人ひとりの発表に対しての感想と労いの言葉をかけていました。

最後には記念写真も撮影し、最初は緊張していた子どもたちもとてもうれしそうでした。

空き家対策は掛川の街づくりに必要な取り組み

今回、大東児童館とかけがわランド・バンクの取り組みである「子どもと一緒に空き家問題を考えるプロジェクト」を取材させて頂きました。

掛川の街づくりを考えるうえで、空き家対策はとても優先度の高い取り組みです。

将来の子どもたちに魅力的な街を残してあげられるかどうかは、今の掛川市に住む大人たちの手に委ねられています。

自分たちのできることから、少しずつ取り組む必要があることを強く感じました。

大東児童館とかけがわランド・バンク、そしてプロジェクトに参加した子どもたち、皆さまお疲れ様でした!