粟ヶ岳の麓、世界農業遺産の茶畑が広がる日坂地区で、お茶栽培の仕事の合間を縫って、月に一度パンを販売している「タモズベーカリー」。ここのパンを求めて遥々遠方からやってくる方もいるほど、ファンが多い「タモズベーカリー」のおいしさの秘密を聞いてきました。
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”お茶農家さんが作るパン屋”誕生のおはなし
-タモズベーカリーさんを開業したきっかけをおしえてください!
私は母がパンが好きだった事もあり、パン好き人間に育ちました。
パンを作る仕事に就きたいと思うようになり、パン職人として静岡と名古屋のお店で勉強させてもらっていたのですが、ご縁があって、掛川市でお茶農家をしている今の主人のもとへやってきました。アウトドアが好きだったので、農家も楽しそうでいいかな、と思って(笑)
自宅に自分たちで石窯を作り、趣味の範囲でパンをたまに焼いたものを、友達に食べてもらったりしていました。しばらくして、パンを買いたいというお声をもらうようになり、まわりの勧めもあって自分でもパン屋さんやってみよう!と決めました。
パン屋と言っても、お茶農家として毎日働いているので、茶畑の仕事が少し減る冬の時期だけ、店舗は持たず、月に一回の自宅販売とイベント出店というスタイルのパン屋にしました。
自分で育てたもの、地元で採れたものを使った”優しい味わいのパン作り”
-タモズベーカリーさんでは、どのようなパンを作られていますか?
自分たちの作っている深蒸し茶を使ったパンや、義母が育ててくれた野菜や、農家つながりで知り合った方たちの野菜を使ったパンを作っています。
数年前に、規模は小さいですが自分たちの果樹園も作りはじめたので、そこで収穫した果物も使います。なるべく自分で育てたもの、地元で採れたものを使った優しい味わいのパンを作りたいと思っています。
-パンができるまでの工程やこだわりを簡単に教えてください
工房は小さく、パン屋さんのような大きな機械は何もありません。基本的に室温で作業するので、パン生地は自然のスピードでゆっくり育ちます。冬はすごーーーーくのんびり膨らみます。なるべく自然のリズムでパンを作るようにしています。
お茶もパンも生き物。兼業する難しさと家族のサポート!
-お茶栽培とパン屋さんの兼業で苦労することはありますか?
お茶の仕事がない時や畑仕事が終わった夜にパンを焼けばいいなと思って予定を組むのですが、お茶もパンも生き物。
こちらの予定とは全然違う事が突然起こるので、パンを焼かなくてはいけない日に畑仕事が遅くまでガッツリあったり、畑に行く前に焼き終えたいパンがなかなか育たず、畑出勤が遅れて迷惑かけたり、、、なかなか思い通りにはいきません。
主人と主人の両親にはとても協力してもらっています。また、どちらも体力仕事なので、両立するには気合が必要です(笑)
タモズベーカリー大塚さんのイチオシメニューはコレ!!
-お店自慢のメニューを教えてください。
せっかくお茶農家なので、自分たちで育てているこのお茶を使ったパンを作って、深蒸し茶の美味しさも伝えられたらいいなと思っています。
【お茶とカシューナッツのカンパーニュ】
お茶のほんのりした苦みとホワイトチョコの優しい甘さのコントラストが美味しいパンです。
【お茶くるくるロール】
自家製のお茶ペーストをくるくる巻き込んだパンです。お茶の香りがよくわかる、優しい甘さのおやつパンです。
【タモズのシュトーレン】
クリスマス前だけの数量限定の特別なパン。自家製のドライフルーツをぎっしり詰め込んだ、いろんな美味しさが広がるシュトーレンです。
タモズベーカリーのパンはどこで買える?
-販売は月数回とのことですが、どんなところで販売されていますか?
冬と真夏(お茶が忙しくない時)に、月に一度くらい自宅販売しています。
あとは10月〜3月(こちらもらお茶が忙しくない時)に掛川近隣のイベントに出店しています。掛川けっトラ市にも出店しています。
-今後、挑戦していきたいことなどはありますか?
果樹園の果物たちも収穫できるものがだんだん増えてきたので、全ての果物をパンに使えるようにしていきたいです。
まだまだ未定ですが、小麦やライ麦も育ててみたいです。全て自家製に挑戦してみたいですね(^^)そして、石窯で焼いたパンを食べてもらえるように、工房もリニューアルしたいです。
ご夫妻の温かい人柄と、手作りの優しい味わいのパンが、多くのファンを魅了している!
取材を終えて・・・。
以前より、市内外のイベントでパンを購入し、素敵なお店だなと思っていた「タモズベーカリー」さん。今回、ご縁を頂き取材をさせてもらうと、お茶農家さんがパン屋さんも運営されているとは、とても驚きました。そして、美味しいパンができるまでのお話や、お茶やパンに対する愛情や努力があるからこそ、この味が出せるんだなと感じました。
味はもちろんのこと、お二人のとても温かい雰囲気と笑顔も印象的でした。遥々買いに来たくなるファンの方々の気持ちがよく分かります。
お忙しい中でも、全て自家製に挑戦してみたいと、目標をもっていらっしゃる姿はとても輝いていて、そう遠くない未来に、タモズベーカリーさんのオール自家製パンが食べられるのではないかと、楽しみでなりません。
<TAMO’s Bakery>
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