龍尾神社の【しだれ梅】がまもなく満開!龍尾さんにお話をお伺いしてきました

先週から暖かい日が続き、今年のしだれ梅は現在8分咲き!!このまま暖かい日が続けば、まもなく満開を迎えそうです!

そこで、お天気の良い平日のお昼頃、龍尾神社さんに取材に出掛けてみました。取材に訪れた日はとても暖かく一面に広がる梅庭園と輝く太陽、そして青空のコントラストがとても美しく、まだ5分咲き?!と驚くほど美しい景観を楽しませていただきました。

龍尾神社の歴史や、市民でも意外と知らない歴史的背景などをお伺いしながら、2021年のしだれ梅の花庭園をレポートしたいと思います。

2つのお城の鬼門を守り、疫病退散を祈る神社

今回は、お忙しい中、龍尾さんに貴重なお時間を頂き、龍尾神社の歴史的背景や掛川の人々との関わりについて改めてお伺いしてきました。古くから龍尾神社の事をご存じの方も多いとは思いますが、改めて、子育て世代や若い世代にも伝えていきたい龍尾神社について教えていただきました。

—「龍尾神社」とは、どんな神社ですか?

一番わかりやすいのは、お城の守護神社掛川城から見てちょうど鬼門の方向に当たるんです。歴代の城主様にも崇敬頂いたんですが、中でも一番熱かったのが山内一豊さんです。

彼は、約10年程しか城主として掛川にいなかったんですが、その時に実子がおらず、掛川で生まれた弟の息子である忠義を養子にしたんですね。その後、関ケ原合戦前の小山会議(小山定評)で、いの一番に徳川につくと表明したのが一豊さんでした。掛川城は東海道筋において浜松に次いで要所となるため、その功績によって四国の高知に出世をしたんです。

その後、山内家を継いだ忠義さんが、生まれ育った町の氏神様を勧請したいということで、龍尾神社の御分霊を高知にお移ししてるんです。現在も残っており、高知には「掛川神社」という神社があり、ご神体はここ龍尾神社から出ているんです!この「掛川神社」、位置関係も同じで、高知城の鬼門に「掛川神社」があるんです。言ってみれば、二つのお城の鬼門を守っている神社なんです。

※小山会議とは・・・徳川家が後に約三百年もの安泰の道筋をつけたと言われる重要な軍会議

—掛川に住んでいても知らなかったことが沢山で、とても勉強になります。

他にも、家康がここに本陣を張ったともいわれているんですよ。大河ドラマの井伊直虎では、掛川の描写は殆どなく、物語の中では一瞬で家康が北条さんを追い出してしまっていますが、実際には半年くらいかけて、色んな所に陣を置き、掛川城を囲んでいるんです。その時、最後に陣を構えたのが、ここ龍尾神社だったんです。以前、テレビの取材をきっかけに図書館を調べたら、12/23にここに本陣を構えた記録が残っており、半年くらい本陣を構えていたそうです。

龍尾神社は、お城の鬼門を守っている神社であると同時に、ご祭神がスサノオノミコト様なので、「疫病退散」の神社でもあります。

—今年はコロナ禍ということもあり、疫病退散は皆さんの願いですよね。お参りに来たいけど、来られない人も多いんではないでしょうか?

今年は、初詣の人出も少なくて、年が明けて10分ほどで人もいなくなってしまって、本当に驚きました。感染症対策では、まず手水を封鎖して、鈴も取り払って、不特定多数の人が触るものは置かないように、社務所の中に入る人は検温をして消毒をしていただいて、事務所でもシートを張って飛沫防止に努めています。あとは、来られる方にマスクをつけていただく、屋外となるとできることはこれくらいですかね。

年末は幸先詣(さいさきもうで)がメディアでも推奨されていたので、少し来られる方もいましたが、年明けは自粛の色が濃かったですね。

樹齢30年、宮司が一から作り上げた「しだれ梅」の花庭園

—コロナ禍においてまもなく見ごろを迎える「しだれ梅」の鑑賞にも影響はありますか?

例年であれば、今日なんかも駐車場は満車なんです。毎年、関東・名古屋・大阪の方からも観光バスが来たり、出店で賑わっているんです。今年は全部キャンセルですね…。

—緊急事態宣言が明けてまた混んできますかね?

今年は、暖かい日が続いているので、宣言明けまで花が残っているかも心配ですね。この後は、少し寒さが維持してくれると長く楽しめるんですけどね。

—市内の方が来られるなら、空いている今がねらい目ですね!!

そうですね。2月末から3月1週目くらいに来ていただくのが良いのではないでしょうか。

—花庭園、先ほど拝見させていただきましたが、本当にすごい数・種類の梅が咲いていますね。

全部で300本です!!23年くらい前にオープンしました。元々は茶畑だった場所を開墾して、父が一人で作ったんです。最初はほんとに小さな苗で植えて、現在樹齢30年くらいです。これからもっともっと太く大きくなって欲しいですね。

—年月とともに、さらに大きく、今後も掛川を代表する名所として親しまれていきますね。こちらにはどんな種類の梅が集まっているんですか?

しだれ梅の色は、赤・白・ピンクが代表ですが、ピンクの中でも濃いピンク薄いピンク、紅梅でも濃い紅梅薄い紅梅、白でも黄色かかった白や純白の白など、6種類ほどの色を楽しんで貰えます。

しだれ梅は花笠をイメージする木なんですね。また、うちの庭園は、起伏があるので、下から見上げたり、上から見晴らせたりさまざまな角度から魅せる庭園なのが特徴です。

—今年は、感染症対策を行いながらの開催となりますが。

そうですね。今年は、飲食の出店もなく、人出も少ないですから、マスクをして、距離を取りながら、静かに鑑賞を楽しんでいただきたいですね。

—春はしだれ梅、初夏の紫陽花、そして掛川祭りと続くので、本当に早い疫病退散を願いたいですね。

今年は大祭りの年なのでね。去年は中止の決断で、みなさんなんとか今年は開催したいと思っているのではないでしょうか。どうなるか分かりませんが、今年はもう、限られた中で、できることをやるしかないですね。

地元の人々が日々のお参りをし、五感で感じてリラックスできる場所

—最後に、掛川の人たちの生活にとって、龍尾神社とはどんな場所ですか?

掛川は、東海道筋の中でも奥まった場所にありますから、地元の方が日々お参りをしてもらえる場所。龍尾神社は山を登った場所にあるので、何かに追われるような日常から切り替えるタイミングでお参りいただき、森の中で精神を整えて、すっきりとして帰って頂ければありがたいなと思います。このデジタルの時代の中で、神社というアナログな場所で、鳥のさえずりや四季を楽しみ、風に当たり、身を清浄空間の中に置いていただき、五感で感じてリラックスしてもらいたいですね。

最後に、こんな歌が残っているので、龍尾神社の事を詠んだ歌をお伝えしますね。

「みな人も深き願ひを掛川の龍の尾山の神のみずがき」 宝治2年 忍十郎義広昨

神のみずがきとは神社を表す語で、宝治2年(鎌倉時代)には既にここに神社があり、それを詠まれた方がいらっしゃいました。お城を中心に龍の形をイメージしていたのではないかと言われ、龍の尾山は龍尾神社の位置を表しています。

この詩は、ハンコにして御朱印にもうっているので、御朱印をきっかけに神社にいらっしゃっていただけるのもまた嬉しいですね。

しだれ梅の花庭園レポート(取材日2021.2.19)

駐車場に車を止めると、向かって右手には神社へと続く大きな鳥居と長い階段が、左手には花庭園があります。

この日5分咲きと聞いていましたが、起伏のある庭園では、陽の当たる場所に咲く梅はすでにきれいな花が咲き誇り、梅の香りを楽しめました。

庭園の中には、掛川城を見下ろせる場所もあります。

通路の周りには、所狭しと赤・白・ピンクのしだれ梅が広がり、まさに花笠のようです。

庭園内には、小川のせせらぎが心地よく響き、竹林、開運神社、座って花見休憩ができる場所などもあり、見どころいっぱいです。

龍尾神社のしだれ梅庭園は、まもなく満開を迎えます!!いつもは観光バスが賑わっていて、時期をずらしていたという方も、今年は満開に合わせて出かけてみるのもおすすめです。

感染対策・ソーシャルディスタンスを守り、春の訪れを楽しみましょう。

<龍尾神社>

住所 〒436-0067 掛川市下西郷84
TEL TEL.0537-23-0228
Facebook https://www.facebook.com/%E9%BE%8D%E5%B0%BE%E7%A5%9E%E7%A4%BE-775001949219824/