新卒一年目から海外出張?掛川でグローバルに働く人たちに話を聞いた

掛川の暮らしを発信するWebメディア「掛川暮らしのマガジン」。特集「Live Local, Work Global」では、地方に暮らしながら世界で働く人たちを特集します。

第一弾は、掛川に拠点を置く株式会社キャタラーから海外駐在を経験した経営企画部主査の小泉さん(写真左)と、営業本部グローバル営業部欧米営業室担当員の植西さん(写真右)をご紹介します。

株式会社キャタラー

掛川市に拠点を置く、排気ガス浄化触媒をはじめ、燃料電池車用の電極触媒など、空気や水を浄化する新しい環境技術を開発するグローバルカンパニー。国内外に11拠点を展開し、海外拠点は営業所も含めると9拠点。世界中の自動車メーカー・二輪車メーカーを取引先に持つ。従業員の男女比率は、女性が18.1%(2020年11月時点)と、女性が活躍している会社でもある。

ホームページ

Facebook

Instagram

Twitter

キャタラーでグローバルに働く

-まずお二人の経歴について教えてください。

小泉さん:私は名古屋生まれ岐阜育ち。大学は工学系で、新卒で就職した建材メーカーで7年働いた後、キャタラーに転職してきました。

植西さん:私は愛知県一宮出身です。京都の大学で国際関係学を学んだ後、大阪の印刷会社に就職しました。この会社では、シンガポールとチェコをあわせて8年間駐在をしています。帰国したタイミングで会社が倒産してしまい、キャタラーに転職してきました。

-ということは、お二人とも静岡県外の出身で、尚かつ転職されてきたんですね。なぜキャタラーを選んだのでしょうか?

小泉さん:環境に優しいものを作っていること、トヨタのグループ会社であることなどさまざまな理由がありますね。あとは個人的な話ですが、海のない岐阜県で育ったこともあり、海への強い憧れがあったことも関係しています。一度、海の近くに住んでみたいという(笑)。

植西さん:私は、前職を退職した後、キャタラーに転職するまで1年間のブランクがありました。その間は、南米をブラブラしていたのですが、標高が高くて空気も汚くて…。息が苦しかった印象が残っています。転職活動を始めた時に「排気ガスをきれいにします」と謳っていたキャタラーをみて、どうせ働くなら世の中に役立つ会社で働きたいなと思って応募しました。

-現在どのような仕事をしていますか?

小泉さん:会社の経営方針や中長期の経営計画の策定、新拠点の設立や新規事業の推進を行っています。事業の収益性を見て、プロジェクトをやるのかやらないのか。原価やグループ全体の収益性などを見たりもしています。当然、キャタラーはグローバルに展開しているので、海外拠点の経営方針や中期計画にも関わります。海外とのやりとりは多いですよ。

植西さん:キャタラーの海外拠点が得た情報をもとに、販売計画の立案や価格戦略の作成をする部署で仕事をしています。私が担当しているクライアントは、海外の大手自動車メーカー。触媒は車やエンジンに合わせてオーダーメイドで開発する部品のため、車の開発段階から関わります。一般的に自動車は、5年後10年後を見据えて開発を行っているんですよ。今の段階では、2025年や2030年に販売する自動車の話をしていることになりますね。

どの部署にも海外と関わるチャンスはある

-キャタラーでグローバルに活躍したいと思ったら、どの部署に入ればいいでしょうか?

小泉さん:どの部署でも、チャンスはありますよ!

-えぇ?どの部署でも?

植西さん:従来であれば、営業なら新卒一年目でも海外出張に行きます。ただ現在は、新型コロナの影響で海外出張はできていません。

-新卒1年目から海外出張ですか…!

植西さん:もちろん、慣れるまでは上司と一緒に行きますけど。周辺の国だったら3〜4日ですし、私が担当しているヨーロッパだと10日〜2週間は滞在します。

小泉さん:経営企画部でも、海外拠点の経営方針や中長期計画を立てるので、当然ながら現地とのやりとりは発生します。海外拠点に資料を展開するときも、現地のスタッフが理解できるように、可能な限り現地の言葉を使用します。ほとんどが英語ですけどね。

植西さん:その他の部署でも、海外工場の立ち上げとなれば、出張ベースで海外に行くことになります。英語ができなくても、とりあえず行ってこいですね(笑)。キャタラーはグローバルで営業活動をしているので、毎日のようにさまざまな海外企業から問合せがきます。当然ながら、メールや電話応対も外国語です。また、コロナ前は海外からのお客様の来訪もよくあり、社内で外国人に会わない日はありませんでした。

キャタラーで海外駐在するには?

-海外出張については、誰にでもチャンスがありそうですね。海外駐在はいかがでしょうか?

小泉さん:早い人では、新卒で入社して5年ほどですかね。私は中途で入社して、2012年から2015年末までキャタラータイランドに駐在していました。主に経営管理などの業務をしていました。

-それは立候補されたんですか?

小泉さん:全然そんなことはなく(笑)。キャタラーには半年に一回、上司との面談があります。その場で、「グローバル人材になりたいか」という質問を受けるんですよ。駐在の話があるときは断る理由はないですという話はしていました。

-ということは、来たる海外駐在に備えて、英語の勉強はしていましたか?

小泉さん:元々そんなに好きではありませんが、社内の英語クラスには積極的に参加していました。上司から何かあった時にやっとけと言われていたのが本音なんですけど(笑)。今振り返ると参加しておいて良かったなと思います。英語のベースは駐在前に作って、あとはタイで実地訓練みたいな。

グローバル人材に求められる英語以外のスキルとは?

-グローバルに働きたいと思ったとき、やっぱり英語は必要ですか?

小泉さん:タイの話をすると、タイ人にとっても英語は第二言語です。難しいフレーズを使うと伝わらず、語学を超えたさまざまな方法でコミュニケーションを取るしかありません。

-英語圏ではない地域独自の課題ですね。

植西さん: 私のポジションだと英語は必須ですが、バランスが大事だと思っています。

-バランスというと?

植西さん:営業といっても、社内調整や全体を見て問題を予知する能力が必要になってきます。英語はできたほうがいいですが、後から身に付けることもできますよね。広い視野を持っている人のほうが活躍できるかもしれません。

-「英語ができるから活躍できる」わけではないと。

小泉さん:日本では起こり得ないことが起きるんですよ、海外の場合。例えばタイの話をすると、相手が「できている」と言っても、実際に確認してみるとできていない。タイに限らず起こり得ることだろうと思うんですけども、「大丈夫」という言葉を日本人の文脈で考えたらだめですね。

-文化の違いに対する理解は必要そうですね。どんなときに違いを感じますか?

植西さん:海外から来られたお客様対応でベジタリアンの人や宗教上の理由で食べられないものがあったりする人がいて、食堂でベジタリアンの食事を手配してもらったりとか。海外と仕事してるなあという感じがしますね。

小泉さん:私は時差ですかね。2〜3時間ならいいんですけども、アメリカは14時間も時差があるとね…。会議の時間設定が大変なんですよ。朝7時から会議ということはよくありますし。
植西さん:私はヨーロッパ担当で、朝10時出社にして、夜は遅めに帰るように調整することもあります。

仕事のやりがい。掛川の魅力

-仕事のやりがいはどんな時に感じますか?

小泉さん:経営企画の話ですと、会社の目標を立案して全社が動いていく。それができていると嬉しいし、新拠点の立ち上げだったり、プロジェクトがひと段落した時にやりがいを感じます。途中で色々と問題は出てくるのですが、結局色々あったけど何とかなったねと落ち着く場合が多いですね。

植西さん:個人ではできない大きな取引ができているのは、キャタラーでのやりがいかなと思っています。自動車の開発段階から関われるなんて、滅多にできることではないですよね。もちろん営業として受注できたときも嬉しいです。

-キャタラーは地域密着の働きやすい会社という印象がありますが、女性目線からどんな会社だと思いますか?

植西さん:全社を挙げてダイバーシティをテーマにしていることもあり、女性にとって働きやすい会社だと思います。ただ女性だからと言って評価されるわけではなく、男女平等に評価されます。女性だから海外出張は行かなくていいということもなく、手加減なし。もし今働いている会社で正当に評価されていないと感じている人は、キャタラーにきたらバリバリ働けると思いますよ。

-最後に掛川についてどう思いますか?

小泉さん:規模がちょうどいいですね。都会すぎず、田舎すぎず。山があって海があって。温暖なので、雪が積もることもありません。何より食材が豊富で、海の幸が美味しいです!あとは、海外からお客様が来られたときは、掛川城が喜ばれますね。

植西さん:そうですね〜!あとは、お土産でお茶を渡すのですが、とても喜ばれます。コーヒーは飲めない人がいるけど、お茶は誰でも飲めるので。海外で内陸に住んでいる人も、キャタラーの近くにある海を見てテンション上がっている人も多いです(笑)